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恥の極み
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【響き合い】
やっと声を出したと思ったら、また固まってしまった櫻井。
大野は真正面に立って腕を組むと苦笑いしながら、じっと相手を見つめた。
櫻井は、大きな目をさらに真ん丸にして大野に釘付けになっている。
「…」
「…」
(反応が面白いんだよな…あり得ねぇくらい(笑)
それにしても…長げぇ~
なににそんなに固まってんだ?)
(好き……好きって言った…)
櫻井とて、それが自分の持つ感情とは違う意味を持っていることくらいはわかっている。
それでも、少なくとも好意は持たれている…
今の櫻井には、十分だった。
「さ~くらい、さん……?」
「……!はいっ?!」
「(苦笑)…大丈夫~?」
「…は、はいっ、…だっだ~いじょーぶだぁ~」
笑ってごまかしたつもりだった。
大野にはそんな様子までもが微笑ましく感じられて
(…あれ?)
そんな自分の感情がやはり解せなくて、さらに戸惑っていた。
2人は向かい合わせに見つめあったまま、お互いに対する感情を持て余している。
まるで初めて恋をした、その感情が何たるかを知らない少年のように。
「…あ、…え、っと…」
「は、はいっ?」
突然向かい合っての沈黙に居たたまれなくなって、
二人は交互に話しかけようとしては、言葉を引っ込めるを繰り返していた。
だからと言って気まずい訳でもない。
「あ…あのっ!大野さんっ…」
「っ…なに?」
「…あ、あのっ……あのっ…」
緊張で固くなってる櫻井を見ているうちに、大野は逆に少し気持ちが解れてきた。
「…どした?」
「あ、あのっ…そっ・・・その、あの…」
くふっ…
大野が思わず漏らした笑い声に、櫻井は一気に喉元につかえていた息を吐き出した。
「…ふはぁ…」
「く…くくく…あは、はっ…あっはっは♪」
思わず爆笑する大野を、櫻井は驚いて呆気にとられて見ていた。
大野は大野で、うっかり大声で笑った自分の声に驚いて、目を丸くして口元を押さえた。
その肩がまだ小刻みに震えているのを見て、だんだん櫻井まで楽しくなってきた。
「くく…くくく…」
「なぁ、…静かに、…ぷっ…フフっ…」
顔を見合わせてお互いを目でけん制し合いながら二人は楽しそうに笑い続け、
そのまま夜露の降り始めた芝生に倒れこんで
大の字に寝転がってさらに笑っていた。
【通じ合う】
大野は真正面に立って腕を組むと苦笑いしながら、じっと相手を見つめた。
櫻井は、大きな目をさらに真ん丸にして大野に釘付けになっている。
「…」
「…」
(反応が面白いんだよな…あり得ねぇくらい(笑)
それにしても…長げぇ~
なににそんなに固まってんだ?)
(好き……好きって言った…)
櫻井とて、それが自分の持つ感情とは違う意味を持っていることくらいはわかっている。
それでも、少なくとも好意は持たれている…
今の櫻井には、十分だった。
「さ~くらい、さん……?」
「……!はいっ?!」
「(苦笑)…大丈夫~?」
「…は、はいっ、…だっだ~いじょーぶだぁ~」
笑ってごまかしたつもりだった。
大野にはそんな様子までもが微笑ましく感じられて
(…あれ?)
そんな自分の感情がやはり解せなくて、さらに戸惑っていた。
2人は向かい合わせに見つめあったまま、お互いに対する感情を持て余している。
まるで初めて恋をした、その感情が何たるかを知らない少年のように。
「…あ、…え、っと…」
「は、はいっ?」
突然向かい合っての沈黙に居たたまれなくなって、
二人は交互に話しかけようとしては、言葉を引っ込めるを繰り返していた。
だからと言って気まずい訳でもない。
「あ…あのっ!大野さんっ…」
「っ…なに?」
「…あ、あのっ……あのっ…」
緊張で固くなってる櫻井を見ているうちに、大野は逆に少し気持ちが解れてきた。
「…どした?」
「あ、あのっ…そっ・・・その、あの…」
くふっ…
大野が思わず漏らした笑い声に、櫻井は一気に喉元につかえていた息を吐き出した。
「…ふはぁ…」
「く…くくく…あは、はっ…あっはっは♪」
思わず爆笑する大野を、櫻井は驚いて呆気にとられて見ていた。
大野は大野で、うっかり大声で笑った自分の声に驚いて、目を丸くして口元を押さえた。
その肩がまだ小刻みに震えているのを見て、だんだん櫻井まで楽しくなってきた。
「くく…くくく…」
「なぁ、…静かに、…ぷっ…フフっ…」
顔を見合わせてお互いを目でけん制し合いながら二人は楽しそうに笑い続け、
そのまま夜露の降り始めた芝生に倒れこんで
大の字に寝転がってさらに笑っていた。
【通じ合う】
「…ふぁっ、ふぁっ…あー、くるしっ!」
「あ、あはっ…ははっ…ひぃー、腹いてぇ!」
ようやく笑いが収まってきた。
「…あー、笑った…こんなにひたすら笑ったのって、初めてかも」
「たっ…確かに。…で、結局、何で笑ってたんでしょう…?」
「さぁ?なんか、…ん…でも…」
「…大丈夫ですか?大野さん…」
「うん。…んふっ…楽しかったな、こんな、…わらっ…くっ…くくくっ…」
「…俺も、です…まさか…こんなに…」
こんなに2人で楽しく笑いあえるとは思わなかった。
別に何の理由もない。原因もない。
ただ一緒にいることがこんなにも楽しくて
きっと相手も同じように感じてくれたらしいことも。
「フフっ…ふふふっ…、あ、あのさ、櫻井さんさ、別に敬語で話してくれなくていいよ。
俺ら、年ほとんど変わんないんだよ?」
「え?マジ…ぁ…ほんとですか?」
「ほらっ!それ!…マジマジ。出席簿に生年月日書いてあるけど、確か1つ違いかなんかだよ^^」
「大野さ…」
「教習とかだったらそうもいかないけどさ。
…もう俺、あなたの教習受け持つこと、ないだろうからさ」
その話をしようとして、こうして櫻井と会うことにしたんだった…
と、ようやく思い出した。
けれど、もうそんなことどうでも良いような気がしていた。
「外で会うのに、敬語も何もないでしょ?」
「え…あの、…また、会って…もらえるんですか…?」
櫻井は思わず体を起こして、隣で大の字になっている大野をまじまじと見つめた。
「…もう、…会うことない?…嫌だった?」
「そんな!嫌だなんて!!!…俺…俺、あの…」
「俺は、また話したいなって。会いたいなぁって…思ってたよ」
思いもよらない言葉に、櫻井は普段の慎重さにも似合わず、
まさかの思い切った行動に出た。
「…大野さん。…俺、…俺ね?…あなたの事が…」
警戒するわけでもなく
驚くわけでもなく
その言葉をじっと受け止めている様子の大野を見て
最初に惹きつけられていつも遠くから見ていたあの笑顔とは全く違う
優しさに満ちた眼差しでじっと櫻井を見つめてくる彼の
憧れ続けて
求めて止まなかったその唇に
そっと自分のそれを
重ねた。
~ 第一部 了 ~
「あ、あはっ…ははっ…ひぃー、腹いてぇ!」
ようやく笑いが収まってきた。
「…あー、笑った…こんなにひたすら笑ったのって、初めてかも」
「たっ…確かに。…で、結局、何で笑ってたんでしょう…?」
「さぁ?なんか、…ん…でも…」
「…大丈夫ですか?大野さん…」
「うん。…んふっ…楽しかったな、こんな、…わらっ…くっ…くくくっ…」
「…俺も、です…まさか…こんなに…」
こんなに2人で楽しく笑いあえるとは思わなかった。
別に何の理由もない。原因もない。
ただ一緒にいることがこんなにも楽しくて
きっと相手も同じように感じてくれたらしいことも。
「フフっ…ふふふっ…、あ、あのさ、櫻井さんさ、別に敬語で話してくれなくていいよ。
俺ら、年ほとんど変わんないんだよ?」
「え?マジ…ぁ…ほんとですか?」
「ほらっ!それ!…マジマジ。出席簿に生年月日書いてあるけど、確か1つ違いかなんかだよ^^」
「大野さ…」
「教習とかだったらそうもいかないけどさ。
…もう俺、あなたの教習受け持つこと、ないだろうからさ」
その話をしようとして、こうして櫻井と会うことにしたんだった…
と、ようやく思い出した。
けれど、もうそんなことどうでも良いような気がしていた。
「外で会うのに、敬語も何もないでしょ?」
「え…あの、…また、会って…もらえるんですか…?」
櫻井は思わず体を起こして、隣で大の字になっている大野をまじまじと見つめた。
「…もう、…会うことない?…嫌だった?」
「そんな!嫌だなんて!!!…俺…俺、あの…」
「俺は、また話したいなって。会いたいなぁって…思ってたよ」
思いもよらない言葉に、櫻井は普段の慎重さにも似合わず、
まさかの思い切った行動に出た。
「…大野さん。…俺、…俺ね?…あなたの事が…」
警戒するわけでもなく
驚くわけでもなく
その言葉をじっと受け止めている様子の大野を見て
最初に惹きつけられていつも遠くから見ていたあの笑顔とは全く違う
優しさに満ちた眼差しでじっと櫻井を見つめてくる彼の
憧れ続けて
求めて止まなかったその唇に
そっと自分のそれを
重ねた。
~ 第一部 了 ~
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tororo
性別:
非公開
tororoが某所で書いていたお話を移築。誤字・変換ミスの訂正や、もともと文字数制限などで割愛した箇所だけを補足しています。基本はそのまま。恥ずかしい。